ファミリー・アフェア

バクマン。
家族について。

家族構成

先日とある人に妹の話をしたところ「え、妹いるんですか」と意外そうな反応をされたので、家族について書いてみようと思う。
ぼくは独身なので、妻とか子供とかじゃなく、両親と妹の話。

スマホとかWi-Fiとかの契約の話でかなりの頻度で「ご家族はソフトバンクをご利用ですか?」みたいな話題になるけどさ、いつも疑問なんだよね。
独身単身生活者でも両親を家族にカウントするならば、じゃあ祖父や祖母とかも入れてもいいのかなとか。まあ細かいルールがあるんだろうけど。

親父についてまず思いつくのは、テレビのチャンネルを独占なおかつザッピングしまくることだ。
幼少期にイライラして仕方がなかった。でも言ってもやめないので諦めていた。

たとえば適当にチャンネルを変え映画が放送されていると、急に観始めたりした。
まず、「途中から観たのでは内容がさっぱりわからねえだろうに」とぼくは思った。

そしてCMが挟まると、またチャンネルを変えクイズ番組を観始めたりした。

まったく理解できなかった。というか、今でも理解はできていない。

で、急に始まったクイズ番組に「正解は2番!」とか言い始めるが、そんな感じなので家族のだれもテレビに集中していないため同意しないし、そもそも回答は基本的に外れていた。

まあここだけ書くとただの変な親父になってしまうな。
親父は早くに父(つまりぼくの祖父)を亡くしていて、母子家庭の中ひとり立ちして仕事に明け暮れたらしい。
それは本当に尊敬している。

あと、音楽の趣味は多分に影響を受けている。ストーンズ(親父はビートルズよりストーンズ派)とか、ディランとか、クリームとか、その辺は完全に親父の影響。
生まれて初めて行ったライブって、親父に連れていかれたボブ・ディランだし。そんな31歳、たぶん数えるくらいしかいないと思うよ。
惜しむらくは幼稚園くらいの頃の話なので記憶がないことだ。
でも、その後ちゃんと音楽に興味を持った高校生くらいの頃からクラプトンだったり、ポール・マッカートニーだったり、ストーンズ(!)だったり、一緒に観に行っている。

あとぼくがバンドをやっていたときにはCDを10枚くらい買って親戚とか友達に配ってたりした。

いわゆる一般的な家庭がどんなだかよくわからないが、ぼくが想像するにあたって一般的な関係性は、たとえばバクマン。のサイコーの両親みたいな感じ。
バクマン。を読んでいない人のために書いておくと、なにか重要な相談事があったときはまず母親に話し、その後父親が最終決定を下す、的な。

うちもそんな感じだった。
だから距離感で言えば親父よりもおふくろのほうが近かった。

ちなみに、親父、おふくろ、という呼び方は20代後半くらいから使っているが、彼らの話をよそでする際(つまり今みたいに)にのみ使っていて、直接は恥ずかしくて使ったことがない。

どちらかと言えばあまり多くを語らない親父と、社交的で世話焼きなおふくろ、という構図。

幼少期から怒られるのは大概おふくろからだった。

おふくろの作る餃子はあまりおいしくなく、そのことについて親父と話した記憶がある。
確か親父もそれについては同意していて、しかしおふくろの料理について文句は言わない主義だと言っていた。

ぼくが高校生くらいの頃から脚を悪くしていて、手術をしたものの、定期的に松葉杖が必要になったりする。

バンドをやりたいから大学を辞めると言った際には激高し猛反対したが、最終的には親父が「やりたいようにやらせてやれ」と言って、渋々折れてくれた。
口やかましいが、最終的には理解を示してくれる人なのだ。

あ、そうだ。中学生の頃反抗期を迎えおふくろがやいのやいの話しかけてくるのがうざくて仕方がなかった。
それを学校で作文にしたら先生にやたら気に入られて、なんかの文集に載せられて全校生徒の前で朗読したことがあったな。

妹は面白いくらいにぼくと似ていない。
自分で言うのもなんだけれど、どちらかと言えば高身長で痩身のぼくと比べて、ずんぐりとした体型をしている。でも背は高いかな。

性格も全然違って、話好きで目立ちたがりのぼくと違い、前に出るのを嫌がるタイプ。

妹が生まれたばかりの頃はもう本当にかわいくてかわいくて仕方がなくて(そういえば生まれてからずっとずんぐりしている)、ほっぺたとか二の腕とかを延々ぐにぐにとつまんでいた。
ぼくが小学校高学年から中学生になるくらいに反抗期が始まって、家族と話すのが億劫になっていったくらいからあんまり仲もよくないんだけど。

それでも妹からすれば「兄貴の真似したい」と思ってくれることはあるらしい。

ぼくが高校3年生、妹が中学1年生のときかな。歳の差あってるかな。まあいいや。
当時ぼくはレッチリに傾倒して毎日爆音でCDを再生してはそれに合わせてギターを弾いていた。
その年の誕生日に何が欲しいか訊いたら「レッチリのCD」と言う妹。
「いやいや、俺が持ってんだから。聴きたいなら貸してやるし、いらねえだろ」
「自分のが欲しい」
何わけわかんねえこと言ってんだ、と思った。が、自分の持っているのと同じCDをまた買ってきて、あげた。
そのあと、妹はベースを買った。

しかし、わりに早い段階でベースには飽き、レッチリよりもPerfumeのほうが好きになったらしい。

孝行をしたい時には親はなし

幸いまだ両親は健在なので、なるべく元気なうちに親孝行ができるといいなと思う。
夢の中では抱きしめおうたらええやん。にならないように。